移動趣味としての原付
はじめに
先日原付で一人旅に行っていた。移動趣味者を標榜する者として、原付という移動手段が果してどれだけ旅行で有用か気になってはいたのだ。
その場の気分を第一の行動原理に置く一人旅の場合、移動することそのものになるべき障害が無い方が良い。言い換えれば、自分の意思決定を阻害する要因が少なければ少ないほどいい。止まりたいと思ったときに止まることができる、入りたいと思った場所に入ることができる。これをなるべき可能にする移動手段は当然、徒歩である。立ち止まっていても基本的に誰かに迷惑をかけることはない。
しかし、移動である以上、考えなくてはならない因子がある。距離と時間である。
距離と時間、そして場所を天秤にかけながら、旅の計画は立てられるし、その移動手段も決めていかなければならない。例えば車移動の場合、移動する道、停まる場所に制限がかかる。したがって基本的に車が置ける場所にしか行けない。これでは点移動が中心になってしまう。なので、これまで自転車を使ってきたが、いかんせん体力がいる。旅行が一週間とかにわたると荷物も重くなるし、腰と背中がバキバキになってくる。
そこでバイクである。特に原付、最高速度の制限が30km/hだし、ちょっと早い自転車みたいなものだ。駐輪場に停められるのもポイントが高い。バイクならそんなに体力も取られないし、荷物は荷台に載せていられるから楽は楽である。
バイクを借りる
そこで今回バイクを借りることにした。借りたのはここ。
多くのレンタルバイク屋は駅から離れたところにあるのだ。そこまでどうやって行けっちゅうねん、と突っ込みたくなる。しかし今回借りたここは、横浜駅から歩いて5分の駐輪場に置いておいてもらえるということで大変便利であった。
借りたのはリトルカブ。 一週間のレンタルとヘルメット、車両補償コミコミで22500円だった。同じ距離を電車を乗るよりは安い。
ちなみに原付に乗ったのは教習所で自動車の免許を取る際に乗った以来、数年ぶりである。当然カブの操作もままならず、最初の15分はエンジンが入っているのかも分からずにひたすら車体をいじってみることに専念する有様であった。
旅程
こんな感じ。
5泊6日で移動距離は800kmと少しである。旧東海道から伊那街道へ、そして甲州街道と、なるべく下道を走るようにした。浜松から伊那へは大体210kmくらい走ったのだが、これはさすがにお尻が痛くなった。
乗ってみて
- 風はそんなに怖くない。
- 追い抜かれる時はさすがに怖い。特に車体の広いトラック。
- 白線(車道外側線)は滑る。しかもあの辺りは草が生えてきていたり、地面が少し盛り上がっていたり、ヒビが入っていたりするので、結構気を遣う。
- 荷物の管理は考え物。今回は荷台に括りつけていたが、どこかに寄るたびに防犯上の問題から一回外して、また乗るときに括りつけてを繰り返すことになった。鍵付きのリアボックスがあればいいかもしれない。
- USB充電とスマホホルダーは便利。ただアプリを使いながら充電するとiPhoneだとよく充電できなくなって困った。電圧が足りない?この辺は機械の問題かも。
- 燃費は素晴らしく良い。70km/ℓくらいをキープしてくれた。
- 自転車感覚で使うのはやはり難しい。やはり道交法上の制限を考えなければならない。歩道を行ける自転車がいかに便利かよくわかる。
- 思っているより重い。
- 曲がるとき下が擦れそうで怖い。
- 30km/h(まあ実際はもう少し出しているが)という制限があるため、旅行の計画が立てやすい。目的地までの時間の感覚がつかみやすい。
とまあ、こんなカンジか。原付二種が欲しくなってきた。