夜のベランダから

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1月の日記・雑記

1/5 卒業と次

大学院修士課程修了が現実味を帯びてきた。修了すれば働き始めることになる(一部界隈では「退院」と揶揄されている)。

大学生になってからは、社会において「学生」という属性がポジティブに受け取られることを早々に知って、その属性を利用し、また甘受してきた。この鍵カッコが付く「学生」は、若ければ若いほど効力を発揮している謂わば呪いみたいなものなのだが、それを僕は修士まで御守りのひとつとして活用してきた。

卒業と同時に「学生」ではなくなるため、この御守りは使えなくなってしまう。例えば、Twitterで「社会に出ると誰も注意をしてくれないだけで許されているわけではない。そして、あなたが気づいていない扉が音もなく閉じている」というのを見た。大学だって広義の「社会」ではあるけれど、「学生」でいたうちは誰か注意してくれていた人がいたのだ。

そういった恩恵ももうなくなるわけで、「社会人」になることより「学生」でなくなることを多少の覚悟しておかなければならないなと思う。

1/14 振り返り

修論がほぼ書き上がった。僕がこれ以上修正する気力が失せたと言ってもいい。論文提出の後も抄録の作成や口頭諮問の準備があるので、しばらく研究活動自体は続くが一応は区切りがついた。

ここ数日、自分の書いた論文を見直しながら、学生生活で出会った人たちのことを振り返っている。3年以上一緒にシェアハウスをした友人は元気だろうか。結局やってもらってばかりだった。肉ばかり食べていて野菜を一切食べていなかった先輩は結婚したらしい。結婚して野菜も食べるようになっただろうか。下宿から程近いところにある弁当屋のお婆さんは、僕を学生だと見るや、いつもご飯を多めに入れてくれ、さらにおまけでお惣菜を付けてくれた。それで350円だった。留学のために休学していた友人は去年まで大学にいて、僕がやりたいことに色々付き合ってもらった。よく温泉に一緒に行った。彼は地元で教師になった。最近インスタに投稿していないが、元気にやっているだろうか。

大学という、多様な評価軸が保障されている場所では、こちらが意図せずとも全くタイプの異なる人と関係を持つことがある。偶然性が排除されていないともいえる。その場所が心地良くて、もう少しで終わるのが寂しくもある。